京都観光の見学先で、真っ先に頭に思い浮かぶのが、
世界遺産「古都京都の文化財」のひとつにも登録されている「金閣寺」ではないでしょうか?
多くの方が、建物全体が金色に輝く様を、「実際に生で見てみたい!」と思われている方も多いと思います。
確かにテレビや本で見るのとは全く違いますからね!
京都観光には外せない観光地の一つの金閣寺ですが、金閣寺が出来るまでのだいたいのあらましはご存知ですか?
室町幕府3代将軍の足利義満が創建したことぐらいは、歴史の授業で習ったとは思いますが、さらに深く金閣寺の歴史を知ると、見学もより身が入って楽しめますよ!
金閣寺創建までの歴史
ところで金閣寺はお寺だということはご存知ですか?
もちろん金閣寺というワードの中に寺の文字が入っているので、そう思っている方も多いかと思いますが、
金閣寺の正式名称は「鹿苑寺」であり、人々が一般的に金閣寺と呼んでいる金色に輝く建物は、正式には「舎利殿」といいます。
金閣寺という呼び名は通称で、舎利殿は鹿苑寺の中の建物の一部にすぎなかったのですが、
金色に輝く建物のインパクトが強すぎて舎利殿、つまり金閣寺が京都観光の見学地の定番になったのかもしれませんね。
将軍の邸宅
金閣寺のある土地は、元々は西園寺家という貴族が所有していたそうですが、
1397年(応永4年)、西園寺家の没落とともに足利義満が、どこかの土地と交換して、自分のものにしてしまったそうです。
金閣寺は当初は「北山第」「北山殿」と言われており、足利義満の邸宅であり、政務をつかさどる職場でもあったのです。
お寺に変化
1408年(応永15年)に義満が死去し、残された遺言によって、1420年に金閣寺が鹿苑寺というお寺になりました。
鹿苑寺という名前も義満の法号から取ったそうです。
義満の息子である、4代将軍の義持は金閣寺(舎利殿)を除く建物をことごとく解体したそうですから、原因は親子の確執なのか、他に理由があったのかはよくわかっておりませんが、
そうでなければ現在の金閣寺はまた違う風景だったのかもしれませんね。
荒廃から国宝へ
1467年(応仁元年)から始まった応仁の乱によって、金閣寺(舎利殿)は焼け残りましたが、境内や庭は荒れ放題なってしまい、鹿苑寺が再建され金閣寺(舎利殿)が修理されたのは、1649年(慶安2年)の江戸時代の頃でした。
よほど室町幕府は財政難だったのか、当時の人は金閣寺に対して無関心だったのかもしれませんが、義満の孫の8代将軍義政は金閣寺を参考に、これも京都観光では有名な銀閣寺を建てたのですから、やっぱり金閣寺の方に回すほどのお金はなかったんでしょうね…
1904年(明治37年)から1906年(明治39年)の明治時代、金閣寺(舎利殿)は解体修理が行われ、その後、1929年(昭和4年)に国宝に指定されたのでした。
突然の焼失
1950年(昭和25年)7月2日未明、金閣寺(舎利殿)は放火にあい焼失、建物はおろか、貴重な文化財が失われてしまいます。
この火災が原因で、歴史的な価値を失った金閣寺(舎利殿)は国宝から外されてしまいます。
再建から世界遺産へ
政府からの補助金や全国からの寄付金が集まり、1952年(昭和27年)から1955年(昭和30年)にかけて再建がなされ、創建当時の姿に戻りました。
その際、明治時代に行われた解体修理の図面が多いに役立ったそうです。
長い年月により、至る所の金箔が剥がれしまった金閣寺(舎利殿)に新しい金箔を張り替える「昭和の大修復」が1986年(昭和61年)から1987年(昭和62年)にかけて行われます。
現在見られる金ピカの金閣寺はこの大修復工事のおかげなんですね。
1994年(平成6年)、世界遺産「古都京都の文化財」に登録されました。
金閣寺の見どころ
見方を変えれば様々な見学の楽しみ方が金閣寺にはあります。
四季と金閣寺
桜と並び立つ春の金閣寺、深緑の木々と夏空で金色が一層際立つ夏の金閣寺、紅葉に彩られた秋の金閣寺、雪化粧された冬の金閣寺など、一年を通して、様々な装いを見せる金閣寺を楽しむことが出来ます。
金閣寺庭園
金閣寺庭園は特別史跡・名勝にも登録されている由緒ある庭園です。
特に鏡湖池(きょうこち)に鏡のように映し出される「逆さ金閣」は必見です。
池に浮かぶ島々や庭石などの配置が絶妙で、さらに金閣寺の美しさを引き立ててます。
近くの観光名所
金閣寺と同様に京都観光には欠かせない名所です。
龍安寺
世界遺産「古都京都の文化財」登録のお寺です。
水を使わずに岩や砂などで山水を表現した枯山水を有する方丈庭園、「龍安寺の石庭」が有名です。
下鴨神社
世界遺産「古都京都の文化財」登録の神社です。
京都最古の神社の一つであり、縁結びのパワースポットが有名です。
君が代に出てくる「さざれ石」や古来から伝わる由緒ある原生林「糺の森」(ただすのもり)も見逃せないです。
金閣寺の詳細
名称:金閣寺(鹿苑寺) ☆世界遺産「古都京都の文化財」
住所:京都府京都市北区金閣寺町1
TEL:075-461-0013
参拝時間:9:00~17:00
参拝料金:大人400円 小中学生 300円
まとめ
金閣寺(舎利殿)は創建から、義持の鹿苑寺の解体、応仁の乱の戦火、明治時代の廃仏毀釈など、幾度の災いに巻き込まれそうになりました。
しかし金閣寺が破壊、燃やされないまま存続出来たのは、金閣寺のあまりの美しさに、昔の人が「これを壊したり燃やすのはよそう…さすがになんか勿体ない…」と思わせたのかな、と感じました。
それだけに昭和時代に起きた金閣寺放火事件は残念でなりませんが、
創建時と同様の姿を見ることが出来るのは、日本の素晴らしい職人技術のおかげですね。
京都観光屈指の名所に是非とも訪れてください!
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