朱塗りの社殿が美しい!日本庭園が魅力<平安神宮>

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平安神宮と言えば朱塗りの鳥居が美しい京都を代表する神社の一つに挙げられますが、
その歴史は意外に新しいのをご存知ですか。

平安神宮という名前からすると、都が京都になった頃から続く歴史ある神社のような
錯覚にとらわれますが、創建は明治28年です。

幕末から明治初めにかけて京都は混乱の渦中にありました。

明治新政府の発足によって政治・経済の中心は東京に移り、
それに伴って天皇までもが京都を離れてしまいました。

荒れ果てた京都をもう一度以前のような活気ある街に戻したい、

そんな考えに賛同した人たちから寄せられた寄付金により、
復興のシンボルとして建てられたのが平安神宮です。

 

時代祭りについて

794年、桓武天皇が長岡京に代わる新しい都を京都に定めました。

以後1869年に首都が東京に移るまで、京都は日本の中心地であり続けました。

そんな平安遷都1100年を記念して始まったのが「時代祭り」です。

ちょうど平安神宮が造られた年と同じです。

幕末期の新政府軍と勤皇派の度重なる争いで京都の街は荒廃しきっていました。

更に首都が東京になったことで多くの人が京都を去ってしまいました。

京都にもう一度以前の賑わいを取り戻したい、
そんな市民たちの願いの元時代祭りは始まりました。

 

時代祭りは平安神宮が創建された年(1895年)の10月22日に始まり、
今では京都三大祭りの一つに数えられています。

 

「京都の歴史と文化を前面に押し出した、他には真似のできないものを」という意気込みが
感じられるこの時代祭りは、2000名もの人が参加する大きなお祭りです。

 

京都御所を出発した行列は2時間程かけて京の街を練り歩き、平安神宮に入ります。

桓武天皇によって京都が都となってからの時代を8つに分け、
それぞれの時代装束に身をまとった人々が2キロの道のりをゆっくりと
歩く様子は生きた時代絵巻を見ているようです。

地元の人が力を入れているだけあって、
腰紐一本に至るまで手を抜かないため衣装代は相当な額になるそうです。

 

時代祭りを見ていると、京都の人々の街に対する思いが観覧している側にも
ひしひしと伝わってきます。

 

美しい日本庭園

朱塗りの鳥居が目を引く平安神宮には、平安遷都を行った桓武天皇が祀られています。

昭和に入ってから江戸時代最後の天皇・孝明天皇も祀られるようになりました。

京の街を日本の首都と定めた最初の天皇と、首都京都に終止符が打たれた最後の天皇を祀ることで、京都の歴史の長さを物語っています。

 

平安神宮のシンボル・朱塗りの鳥居は高さ24メートル、幅18メートルもあって、
京都の鳥居の中でも一番の大きさです。

朱塗りの鳥居と同じように朱色一色の応天門・蒼龍楼・白虎楼と
大極殿は国の重要文化財に指定されています。

これらの社殿を囲むようにして広がる総面積3万㎡の平安神宮神苑は、
近代日本を代表する日本庭園として知られています。

 

東・中・南・西に分けられた池を中心に4つの庭苑から成る神苑は、
明治時代の著名な造園家によって20年がかりで造られたものです。

 

昭和50年(1975年)には国の名勝に指定されました。

見応えたっぷりの神苑の入り口は、白虎楼の横にあります。

 

四季の移り変わりを楽しむことができる神苑は、池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん=小川や池など、水のある庭を歩いて鑑賞する庭園のこと)です。

春の枝垂れ桜や秋の紅葉など、どの季節に訪れても見どころ満載です。

一言で、平安神宮神苑と言ってもとてつもなく広いので
庭というより手入れの行き届いた林に足を踏み入れたような感覚です。

 

春になると東神苑に咲き乱れる桜を池にかかる橋(太平閣)から写真に収めると、
絵葉書のような一枚になります。

 

中神苑の池にかかる臥龍橋(がりゅうきょう)の絶妙な配置の飛び石は、
豊臣秀吉によって造られた三条大橋・五条大橋の橋脚が使われています。

これは龍が静かに横たわる様子を表しているそうです。

池の水は琵琶湖疏水を引いていて、琵琶湖の生態系がそのまま受け継がれています。

このことから神苑の池は「ミニ琵琶湖」と呼ばれることもあります。

他にも鯉にエサをあげる場所があったり、休憩所が設けてあったりと、
単なる庭苑散策ではなくどんな世代の人でも楽しめるようになっています。

 

京都の街中にありながら、自然公園にでもいるような錯覚に陥る平安神宮神苑ですが、
拝観料が別にかかります(大人600円、子供300円)。

 

毎年6月上旬と9月19日が無料開放日ですが、
混雑するので落ち着いて見学したい方はこの日は避けた方がいいでしょう。

2000株の花しょうぶ

庭苑内では春から夏にかけて桜に始まり、
サツキやカキツバタなど様々な種類の花を楽しむことができます。

 

中でも5月下旬から西神苑の白虎池周辺には、日本古来の200種2000株もの
花しょうぶが一斉に咲き始めます。

江戸時代にはすでに花しょうぶの品種改良が始まっていたというぐらいですから、
日本人にとっては古くから馴染みのある花の一つです。

 

庭苑内に咲く白、紫、藍色と色とりどりの花しょうぶは6月上旬に見ごろを迎えます。

澄み切った青空の元に咲く花しょうぶも素敵ですが、
梅雨の雨にしっとり濡れた花しょうぶも醍醐味があります。

6月の無料開放日は花しょうぶが満開になるのに合わせて設定されてるので、
毎年開放日が変わります。

またこの時期京都府立植物園の花しょうぶもちょうど見ごろなので、
併せて寄ってみてはいかがでしょう。

 

平安神宮の周りにあるオススメの観光地

岡崎神社

平安神宮の朱塗りの鳥居から北東に歩くこと15分で岡崎神社に着きます。

桓武天皇が平安京遷都の際に、東西南北4つの方角に都を守る社を築きました。

 

岡崎神社は都の東側に位置することから「東天王」として古くから信仰を集めました。

 

ここは「うさぎ神社」と呼ばれるほどたくさんのうさぎが祀られています。

 

その昔この辺り一帯にはうさぎがたくさん生息していて、
氏神様の使いとして大切にされてきました。

 

多産なうさぎは子宝や安産の神様として信仰されています。

 

境内には狛犬と並んで狛うさぎがいたり、
うさぎみくじがあったりと他の神社とは違った趣向が凝らしてあって訪れる価値大の神社です。

 

平安神宮詳細

所在地 〒606-8341   京都市左京区岡崎西天王町97

電話 075-761-0221

最寄り駅 地下鉄東西線「東山駅」下車、1番出口より徒歩10分

京阪鴨東線「三条駅」「神宮丸太町駅」下車、徒歩15分

最寄りのバス停 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車 北へ徒歩5分

 

平安神宮のあるエリアは京都市美術館(京セラ美術館)京都国立近代美術館
動物園など寺社以外の観光施設も集まっています。

仏閣巡りに少し疲れた方や小さい子を連れて観光している方、
天気に左右されない京都観光がしたい方には美術館や動物園もお勧めです。

 

季節がよければ舟からの市内観光ができる岡崎十石舟めぐりも一味違っていいですね。

 

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