京都の嵐山と言えば風光明媚な観光地として人気があります。
春は満開の桜、夏の強い日差しを反射してキラキラ光る大堰川、
渡月橋の向こうに浮かぶ中秋の名月に日毎に鮮やかさを増す嵐山の紅葉、
そして真っ白な雪と静寂に包まれた寺社の数々…
このように嵐山はどの季節に訪れても私達を魅了してくれます。
そんな嵐山に一風変わった見どころがあるのをご存知ですか。
寺社や自然や美術館(博物館)ではありません。そこは何と
「嵐山モンキーパークいわたやま」と呼ばれるところです。
モンキーパークのみどころ
動物園や水族館は日本全国どこにでもありますが、
モンキーパークと名の付く猿園は国内では希少な存在です。
しかも嵐山のモンキーパークいわたやまは野生の猿たちが生活しているところに
人間がお邪魔するという、珍しいタイプの公園です。
嵐山連山の中腹、標高160メートルの高台にあるモンキーパークいわたやまは、
1956年に開園しました。
モンキーパークいわたやまの長年に渡るニホンザルの生態研究は国内外に広く知られています。
現在モンキーパークいわたやまには120頭の野生の猿が棲息していますが、
60年にも及ぶ生態調査が、誕生日や親子関係に至るまで非常に詳しく記録されていて、
海外からの研究チームが訪れるほどです。
約6000㎡もの広大な敷地で猿たちが自由に生活する様子は、
動物園のおりの中に暮らす猿とは比べ物になりません。
京都の街が一望できる山頂の広場にはベンチがあって、
座っていると隣にお猿が並んで座ることもあるんだとか。
ただし、野生の猿なのであまり近づきすぎてはいけません。
写真を撮るときは、2メートルの距離を保ってください
(コロナで皆さん2メートルのソーシャルディスタンスはお手の物ですね)。
またカメラを近づけすぎたり、撮影する際に目の前にしゃがみこんだりするのもNGです。
猿に限らず、動物はじっと見つめられると不安に駆られこちらを威嚇してきます。
もちろん触ろうと手を出したりしつこく追い回すのも絶対にやめましょう。
春から夏にかけては出産ラッシュで生まれたばかりの赤ちゃん猿を見ることができます。
赤ちゃん猿は警戒心が強くないので、人間の足元近くまで寄ってくることがあります。
そんな愛らしい子猿を思わずだっこしたくなってしまいますが、
母猿が目ざとく見つけて駆け寄ってきます。
だからそっと見守るだけにしてあげましょう。
エサやりも安全
嵐山モンキーパークいわたやま最大の魅力は毎日3回、
飼育員の方による猿たちへの「エサやりタイム」でしょうか。
季節によっても違いますが、原則的に10時半、12時半、14時半と
バケツを手にした飼育員の方々がやってきます。
猿たちはすぐさま飼育員の方を見つけて、我先にと群がってきます。
飼育員の方が走れば猿も走り、飼育員の方が止まれば猿も止まる。
その様子は4コマ漫画に出てきそうで、何とも微笑ましいですよ。
実際に自分で猿たちにエサやりをしてみたい!と思う方のために、
展望台にある休憩所ではエサやりができるようになっています。
ウサギやロバ、ヤギなどのエサやりは時々聞きますが、
野生の猿にエサをあげるのはちょっと怖いと思いませんか。
でも大丈夫です。休憩所には丈夫な金網が張り巡らされていて猿たちが
中に入ってこれないようになっています。
エサを置く場所があるので、そこに置いてあげると猿たちは手を伸ばして持って行きます。
少し勇気のある人は、思い切って手を伸ばしてエサやりしてみてください。
でも手のひらにエサを置いて、猿に取ってもらうだけですよ。
それ以上のことは絶対にしないでください。
片手で金網にぶら下がり、もう一方の手で器用にエサを食べる姿は癒されます。
エサの持ち込みはできないので、そこで売っている物(リンゴや落花生など)を購入します。
どれも1袋100円です。
エサやりは休憩所の中でしかできないので、
決してこれ以外の場所で猿にエサをあげないでください。
それにしても「エサやり」と称して猿が寄ってくるのを金網越しに人間が観察しますが、
猿からするとどんな人間が「エサやり」に来たのか興味津々かもしれませんね。
頂上までの山登りも楽しみの一つ
野生の猿が生息する山と聞くと、どんなに深い山奥なんだろうと思いがちですが、
地図で見ると嵐山モンキーパークいわたやまは渡月橋からすぐのところです。
檪谷宗像(いちたにむなかた)神社境内にある入園口を通り抜けると、
まず120段の階段を上ります。
その後は緩やかな登り坂をひたすら山頂に向かって歩きます。
途中で猿に関するクイズや注意を記した看板があるので、休憩がてら読みながら進むといいですよ。
ベンチもあるので、休みながらでも大丈夫です。
ただたっぷり20分歩かないといけないので、履きなれた歩きやすい靴で出かけましょう。
山頂目前のところにブランコやシーソー、ターザンロープを設置した公園があります。
中でも超ロング滑り台は大人が滑ってもなかなか楽しいです。
童心にかえって一滑りしてみませんか。
たまに猿が使っていることがあるので、そんな時は順番を守ってくださいね。
他にもこの付近にはタヌキやムササビ、イノシシなど約80種類もの野生の動物が生息しているので、猿以外の動物に会える確率も高いです。
秋になると木々の葉が赤や黄色に色づいて、紅葉スポットとしても人気のところです。
また京都は景観を守るため、建築物の高さが厳しく制限されていることから
あまり高い建物がありません。
山頂広場で猿と一緒に京都タワーや宿泊しているホテル、
訪れたお寺や神社を探すのも面白いですよ。
モンキーパークの詳細
住所: 京都市西京区嵐山中尾下町61
電話 :075-872-0950
FAX: 075-872-0950
料金: 大人(高校生以上)550円(450円)
子供(4才以上中学生まで)250円(200円)
( )は団体(30名以上)料金
2022年10月1日より大人600円、子供300円になります。
営業時間: 9時~16時
定休日: 不定期
交通手段: ◆京都バス「中の島公園」下車、徒歩3分
◆嵐電嵐山本線「嵐山」駅下車、徒歩5分
◆阪急嵐山線「嵐山」駅下車、徒歩5分
パーキングがないので、付近の有料パーキングをご利用ください
まとめ
嵐山まで来てお猿⁉と思う方もいるかもしれませんが、
小さい子には寺社巡りやお土産ショップの見学は退屈なもの。
大きな声で叫んだり(猿がびっくりしない程度に)、
思いっきり走り回ったりできるここは子供にとっても親にとってもストレスが少ないはずです。
カップルや友達同士で訪れても仲良く蚤取りしたり団子状に並んでこちらを見ている猿の姿に、
私達も笑顔になること間違いありません。
動物園の柵やガラス越しに眺めるのとは違って、
息遣いも聞こえる距離で猿の生態を観察することができます。
市内の雑踏とは縁のない嵐山モンキーパークいわたやまで、
自然と共に過ごす一日はきっと思い出に残ることでしょう。
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