「だんご」と聞いて、どんな物を思い浮かべますか。
三色団子、みたらし団子、月見団子、お弁当のおかずの肉団子(ミートボール)、中華のエビ団子やごま団子など、団子とつくものはいくつでも出てきます。
中でもおやつにピッタリの三色団子やみたらし団子は古くから愛されてきました。
きな粉もあんこもついていない、シンプルな団子を嫌いな人はほとんどいないでしょう。
団子の歴史はとても古く、縄文時代から日本人の食生活と深く関わっています。
今回はそんな団子の中でも「みたらし団子」にスポットを当ててみました!
テイクアウトも可能
京都グルメはおばんざいに始まり、湯豆腐、京風うどん、和のスイーツなど何でもあります。
では素朴な「団子」も京都グルメに入るのでしょうか。
答えはイエス。
京都市内でみたらし団子が食べられるお店を検索すると、どんどん出てきます。
みたらし団子はテイクアウトができて、ちょっと小腹が空いたとき手軽に食べられることから、どんな世代にも人気ですね。
値段も高くなく、手を汚さず食べることができるのも魅力的です。
京都に限らず、昔ながらの街並みが残る観光地には必ずと言っていいほどみたらし団子を売るお店があると思いませんか。
もっちりした横長の俵型「団子」は、どちらかというとお餅のよう。
串に仲良く4つ刺さった団子はほどよく焦げ目がついています。
醤油ベースの甘辛なタレのお風呂に浸かったようなみたらし団子はとてもフォトジェニックで、SNSなどでよく紹介されています。
でもこれ、みたらし団子というよりは、焼き鳥屋のねぎまを連想してしまうのは気のせいでしょうか。
テイクアウトだけでなくお店で食べることもできるので、京都観光で疲れた体を休めるのにもってこいですよ。
店内は落ち着いた、そしてどこか懐かしい雰囲気に包まれています。
京都グルメのスイーツ部門で常に紹介されているのにも納得できます。
みたらし団子の由来
団子は既に縄文時代に作られていたそうです。
ドングリやクヌギはそのままだとアクが強いので、水にさらしたものを粉にして丸めて食べていたようです。
室町時代には既に串に刺した団子が出回っていたとされています。
江戸時代中期に入ると、花見の主役は団子と言われるぐらい流行しました。
「花より団子」のことわざもこの頃生まれたのだとか。
みたらし団子という呼び名は、京都の下鴨神社にある「御手洗(みたらし)池」から来ていると言われています。
一説によると、鎌倉時代を代表する後醍醐天皇が下鴨神社を参拝した時、境内にある御手洗池で手を清めようとしました。
すると最初に泡が1つ水面に浮かんできました。
やや間をおいて、更に4つの泡が浮かび上がってくるのです。
これは池の地下から水が湧き出ることによる現象で、縁起がいいとされていました。
昔から下鴨神社では「御手洗祭り」の際、神様に団子を備える習慣がありましたが、これ以降団子を5つ串にさして神前に置くようになったそうです。
やがて、後醍醐天皇が見た泡の数にちなんで5つの団子を一本の串に刺し、醤油で味付けした「みたらし団子」が境内のお茶屋さんで食べられるようになりました。
店先で食べることもできるし、持ち帰り(テイクアウト)もできるみたらし団子は瞬く間に広まりました。
江戸時代になると、密かな京都グルメだったみたらし団子は江戸に伝わります。
当初は一串5文で売られていましたが、4文銭が登場すると団子を4つにして一串4文で売り出しました。
4文とは今でいう100円ほどの価値で、ワンコインで買える利点からこちらが定着したようです。
さすがに歴史ある京都のグルメは奥が深いですね。
他のオススメメニュー
昭和2年創業の「梅園」は、京都で老舗の甘味茶屋です。
市内に5店舗あり、どこのお店も地元の方や外国人観光客、修学旅行生など客層を問わず賑わっています。
「国産の良質な材料を使うこと」、「毎日食べられるもの」、「みんなに喜んでもらうこと」が、初代から受け継がれているモットーだそうです。
各店共通の看板メニューはもちろんみたらし団子ですが、あんみつや抹茶パフェなど甘味処ならではのものも揃っています。
かき氷
夏季限定のかき氷も魅力的です。
梅園のかき氷の人気の秘密は、自分で組み合わせができることです。
例えば宇治抹茶というベースを決めます。
そこにわらび餅と白玉をトッピングします。
まるでどんなピザを注文しようか考える時と同じような楽しさがあります。
またみたらし団子だけでなく、ぜんざいなどもテイクアウトできて、家でも梅園スイーツが味わえます。
河原町通りの中ほどにある「梅園河原町店」は、ちゃんと見ていないと通り過ぎてしまいそうな大きさです。
入り口横のショーケースには、スイーツのサンプルが並んでいます。
お店全体が、昭和の甘味処といった雰囲気を醸し出しています。
2017年にオープンした「梅園三条寺町店」は河原町店とは対照的に、2階建ての広々としたお店です。
「花点心」
この店の売りは、「花点心」という三条寺町限定メニュー。
どら焼きのような皮で、キャラメル風味のあんを包んだ究極のスイーツ「あんの花束」をメインに、梅園名物のみたらし団子やわらび餅をセットにしたよくばりな一品です。
この他、世界遺産の清水寺にほど近い「梅園清水店」など市内に5店舗あります。
メニューも店の作りも、店ごとに少しずつ違っていますが、全店に共通しているのは「また来たくなるお店」であることです。
イートイン、テイクアウト、どちらでもいいですが、どのお店のスイーツも少しずつ試してみたいと考えるのは食い意地が張っている証拠でしょうか。
お店の詳細・他店詳細
<梅園河原町店>
所在地 中京区河原町三条下る山崎町234-4
電話 075-221-5017
営業時間 10:30~19:30 (LO 19:20)
定休日 なし
アクセス 京阪本線三条駅6番出口より徒歩5分
<梅園清水店>
所在地 東山区産寧坂339-1
電話 075-531-8538
営業時間 11:00~18:30 (LO 18:00)
定休日 なし
アクセス 京阪本線祇園四条駅1番出口より徒歩18分
<梅園三条店>
所在地 中京区天性寺前町526
電話 075-211-1235
営業時間 10:30~19:30 (LO 19:00)
定休日 なし
アクセス 京都市営地下鉄東西線京都市役所前駅3番出口より徒歩5分
<うめぞの茶房>
所在地 北区紫野東藤ノ森町11-1
電話 075-432-5088
営業時間 12:15~18:00 (LO 17:30)
定休日 不定休
アクセス 京都市営地下鉄烏丸線鞍馬口駅2番出口より徒歩16分
<うめぞのCAFE&GALLERY>
所在地 中京区不動町180
電話 075-241-0577
営業時間 11:30~19:00 (LO 18:30)
定休日 不定休
アクセス 京急京都本線烏丸駅2番出口より徒歩7分
中まで熱い焼き立てモチモチ食感の、甘辛いタレがたっぷりかかったみたらし団子は、想像するだけでお腹が空いてきませんか。
京都グルメの上位を占めているみたらし団子はどれも甘辛タレにからめたものですが、焼き立ての団子に醤油をかけただけの素朴な味も捨てがたいです。
また見た目はみたらし団子のように、団子が4つ仲良く串にささっていても、あんこやきな粉がかかったものもありますね。
緑のヨモギ団子も口の中に広がる風味がたまりません。
あなたはどんな団子が好きですか。
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