京都のデザートグルメというと、抹茶を使ったスイーツが浮かんできます。
ところが御所南エリアにあるドーナツ専門店「ひつじ」は、京都グルメのスイーツランキングで常に上位にランクインしています!
京都グルメの「百名店」にも3年連続で選ばれるほど人気のお店です。
店名の由来は、オーナー夫妻のお子さんが保育園でもらったマークがひつじだったことがきっかけだったそうです。
ひつじの優しくてふわふわした感じがドーナツと結びついたのだとか。
かにひつじなら小さい子でもすぐに覚えてくれますね。
焼きたてドーナツのこだわり
ドーナツの歴史
「ひつじ」の紹介をする前に、ドーナツの歴史をかいつまんで書いてみます。
ドーナツという単語は、英語で生地を表す「Dough(ドウ)」と木の実「Nuts(ナッツ)」が元になっています。
17世紀のオランダでは、クルミを真ん中に載せた揚げ菓子が食べられていました。
高価なものだったので、クリスマスや誕生日など特別な日にしか口にできませんでした。
新大陸発見で、ヨーロッパからアメリカ大陸に多くの人が渡って行きました。
この時、それぞれの国の文化や食べ物が新大陸に持ち込まれましたが、ドーナツもそのうちの1つでした。
ところが新大陸にはクルミがありません。
そこで真ん中に穴を開けて作るようになったと言われています。
一方でこんな話もあります。
ある日インディアンのお母さんが揚げパンを作ろうとしたところへ、矢が飛んできて丸いパン生地の真ん中に刺さってしまいました。
お母さんは矢を抜いた生地をそのまま油に入れて揚げました。
それを食べたお父さんが気に入って、以来ドーナツは中央に穴が開いているのだそうです。
どちらの理由も半信半疑ですが、微笑ましい話ですね。
ここで本題の「ひつじドーナツ」に話を戻します。
ドーナツ店「ひつじ」は京都御所南、地下鉄烏丸線の丸太町駅から歩いて7分のところにあります。
京都御所南を東西に走る丸太町通りから南側に広がる住宅街に、「ひつじ」は建っています。
南東の角にある少しレトロな感じの店の軒先を覆う、アイボリーの日よけにひらがなで「ひつじ」とあります。
決して派手な店構えではありませんが、丸太町界隈の人達なら誰でもこの店の人気の秘密を知っています。
京都グルメの百名店に選ばれたお店ですが、営業日は週3日で、開店前から店の前には行列ができています。
そんな話を聞くとどんなドーナツ屋さんだろうと興味が湧いてきませんか。
経営者の下村ご夫妻は、以前は別の場所でパン屋さんを営んでいたそうです。
その頃から酵母にこだわったパンを作っていらっしゃいました。
お子さんが生まれたのをきっかけに、「安心して食べられるおやつ」を作ろうと、天然酵母を使ったおやつを考えるようになったのだとか。
それが、体に優しい天然酵母と発芽玄米を使ったドーナツです。
定番のプレーンドーナツに始まり、子供に人気のチョコレート、紅茶ときなこなどバラエティに富んでいます。
チョコカスタードは、チョコレートもカスタードクリームのドーナツも両方食べたい!というよくばりさんにピッタリです。
また、他ではあまり見かけないクリームチーズときび砂糖なんてのもあります。
クリームチーズの酸味ときび砂糖の甘さがうまくマッチしていて、あっという間に食べられちゃいます。
でもこのクリームチーズときび砂糖ドーナツは大人気で、すぐに売り切れてしまうそうです。
できるだけ作りたてを食べてもらいたい、というオーナーの心遣いから、揚げたてドーナツを少しずつ提供しています。
抹茶でも和菓子でなくても京都グルメ百名店に選ばれる理由がわかる気がします。
営業日も限られているので、いろいろなドーナツを試したい方は開店と同時に入店するのがお勧めです。
お店のある丸田町付近は御所南という場所柄なのか、昔ながらの家具屋や建具屋が健在で昭和が色濃く残っている場所があります。
無事にお目当てのドーナツが手に入ったら、少し近所を散策してみるのもいいですね。
具材のこだわり
「誰もが安心して食べられるおやつ」を作り続けるだけあって、使う材料も自然のものが選ばれています。
厳選された国産の小麦や全粉乳を使い、砂糖の代わりにきび砂糖を加えるという徹底したこだわりが見えます。
低温で長時間じっくりと発酵された生地の表面は、カリッと焼きあがっていて香ばしいです。
穴あきドーナツの中はふわふわ、クリームの入った丸いドーナツはもちもちしていて、食感が違います。
そして一部のドーナツは砂糖をあとからかける珍しいタイプです。
その理由はというと…
きび砂糖は時間が経つと溶けてしまうそうです。
そこですぐ食べられる方にはお店で砂糖をまぶしてくれますが、帰るのに時間のかかる方には小袋に入った砂糖を添えてくれます。
砂糖はシナモン、メープル、きな粉、和三盆から選べます。
家に帰ってからドーナツを温めて、シュガーパウダーを振りかけると揚げたてのようにカリッとしたドーナツがいただけます。
レジの横には、以前パン屋さんを営んでいた時の人気商品だったという「キャラメルラスク」があります。
こちらもぜひご賞味ください。
イートインスペースと営業日
せっかくの揚げたてドーナツは、その場で食べるのが一番!
店内にはイートインスペースが設けられているので、ここを利用すればアツアツドーナツが食べられます。
大きな窓に面して長いテーブルが置いてあるので、外の景色を見ながら食べることができます。
ワンドリンク制なので、飲み物の注文も忘れずにお願いします。
和陶器の素敵なカップに入ったコーヒーがいただけますよ。
営業日は木、金、土の3日間のみとなっています。
18時までお店は開いていますが、ぎりぎりに行くとほとんどドーナツが残っていない場合もあるので注意しましょう。
また臨時休業もあるので、遠方から足を運ぶ際は予め確認しておいた方が無難です。
ひつじドーナツの詳細
所在地 京都市中京区大炊町355ー1
電話 075-221-6534
営業時間 木曜日から土曜日の11時から18時
営業日、時間は変更になることもあるので要確認
交通手段 丸太町駅から徒歩約7分
京都市役所前駅から徒歩約10分
烏丸御池駅から徒歩約11分
京都市営バス「河原町丸太町」下車7分
京都市営バス「裁判所前」下車5分
ひつじドーナツは最寄りの丸太町駅から少し離れています。
また御所南には、大きな観光地はありません。
それだけに買いに来るのは地元の方が多いです。
観光地なら完売になるのもわかりますが、住宅街に行列ができるというのは、それだけ愛されているお店なのでしょう。
京都グルメの百名店に選出される理由もうなずけますね。
テイクアウトの場合は鴨川の土手や、緑の広がる京都御苑で食べるのも楽しそうですよ。
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